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レディーミクストコンクリートとは –いわゆる“生コン”

レディーミクストコンクリート

【レディーミクストコンクリート】(れでぃーみくすと・こんくりーと)

骨材や緩和剤が練り込まれた打設前のコンクリートのこと。

普段私たちが歩いたり車で走行する道には、コンクリートが使用されています。

このコンクリートは打設する目的により、強度や空気量、塩化物保有量に違いがあり、また運搬方法にも異なりがあります。

モノづくりをする上で欠く事のできないコンクリートですが、圧力に対して破損やひび割が起きないようテスト実験が行われるなど、土木技術は日々進化を遂げています。

こちらの記事では、一般的に使用頻度が高いレディーミクストコンクリートについてご紹介しています。

あまり知られることのないコンクリート技術について学んでいきましょう!

レディーミクストコンクリートとは

コンクリートモービル

レディーミクストコンクリートとは別名生コンクリートとも呼ばれ、土木作業において一般的に使用される素材です。
業界では生コンと略されることもあり、扱い易く養生も比較的容易なため幅広く用いられます。

コンクリートはその性質上打設前は流動性が高いものですが、材料の調合次第では超速硬コンクリートのように短い硬化時間で高い強度を維持するものもあります。

こうした特殊コンクリートは現場での手練りが要されるため、作業性に優れない短所がある一方で、レディーミクストコンクリート工場で大量生産され運搬車で運ぶことができる利点から活用性の高さがあります。

多種多様なコンクリートの種類

レディーミクストコンクリートには、水、セメント、砂利や砂といった骨材、そして緩和剤が練り込まれており、ミキサー車で攪拌されながら現場に運ばれます。

コンクリートには、耐久性・耐火性・圧縮に対する抵抗力の高さがありますが、一様に“コンクリート”と言っても、現場環境や状況に応じて素材の使い分けがなされています。

マスコンクリート

橋梁やダム建設など断面寸法の大きな建造物で使用されるコンクリート。

部材最小寸法は80cmであり、質量や体積が大きいのが特徴です。大断面のコンクリートはひび割れを起こしやすいものの、破損を防ぐために小さなひび割れが建造物に影響をしない構造設計が採用されています。

超速硬コンクリート

硬化時間が短く高い強度を実現する特殊コンクリートのこと。

3時間で24N/mm2の強度が出るなど、作業性に優れた特殊コンクリートであり、工事の時間短縮を可能とします。施工の時間が限られている取替工事や、工期が迫っている場合などに用いられます。

プレストレストコンクリート

プレストレストコンクリートは業界用語でPCと略されます。PCは製造工程であらかじめ圧縮応力を作用させることで高い耐久性保持したコンクリートを指します。

コンクリートは一般的に圧縮力に強く引張力に弱い性質があります。

コンクリートに鉄筋を入れない無筋コンクリートは、荷重がかかるとコンクリート素材が伸縮し破損の原因となりますが、PCを採用することでひび割れや破損を最小限に抑えることができます。

レールの枕木や、長大橋などで用いられています。

品質保持に関わる4つの指標

打設前のコンクリートは非常に柔らかく流動性が高いものですが、打設後もしっかりと品質が保たれるよう管理が徹底されています。

レディーミクストコンクリートを使用する際は、次の4つの指標で測定されます。

スランプ

スランプ試験では、レディーミクストコンクリートの硬さを見極めます。スランプとはコンクリートの柔らかさを示す数値のことであり、値が高ければ流動性のあるコンクリート、数値が低ければ硬いコンクリートと識別できます。

圧縮強度

テスト用にレディーミクストコンクリートを型に流し入れ、上下から圧力を加えます。
どの程度の圧力がかかると破損が起きるかの測定を行います。

空気量

レディーミクストコンクリートで規定されている空気量は、4.5%±1.5%に収められます。
コンクリートは製造段階で自然に空気が入り込みますが、そのままの状態では気泡の大きさにバラつきが見られ素材が不安定となります。
そこでAE剤と呼ばれる混和剤を活用する事で気泡の大きさを均一にさせ、コンクリート素材の安定性を図ります。

塩化物含有量

レディーミクストコンクリート内に含まれる塩分量は、1㎥内に0.3kg以上の塩分を保有するものは使用できないという規定があります。
工事の際には鉄筋コンクリートを使用することも多く、配合される塩分量により鉄が傷み破損の原因となります。
そのため塩化物保有量が厳格に定められているのです。

レディーミクストコンクリートができるまで

コンクリートプラント

レディーミクストコンクリートはどのようにつくられるのでしょうか。
その工程を追ってみましょう!

打設前のレディーミクストコンクリートは、生コンクリート製造プラントで製造され、その後ミキサー車により工事現場へと運搬されます。

巨大な工場である製造プラントですが、製造工程は全てコンピューター制御されており、バッチャープラントという場所で各材料が混ぜ込まれ、最終的にミキサー車に流し込まれます。

バッチャープラント内に投入される材料は以下の6つです。

  • セメント
  • 粗骨材
  • 細骨材
  • 混和材
  • 混和剤

これらの素材の他、骨材類は表面水の調整が行われ、また計量器や練り混ぜ機で攪拌したりと多くの作業工程が踏まれています。

コンクリートは製造の際に、材料・品質・適用範囲・製造方法・検査方法など細かな規定があり、厳しい基準のなか品質が約束されたものが出荷されています。

まとめ

レディーミクストコンクリートとは、土木・建築業界で一般的に使用されるコンクリートのことでした。

普段何気なく目にするコンクリートですが用途に応じて素材や強度は異なり、現在では大気浄化コンクリートや吸音コンクリートといったものも存在感を増していきています。

コンクリートに秘められる技術は奥が深く、調べて見ると驚くべき発見に出会うでしょう。水質を浄化するコンクリートや原子力発電所などで使用される遮蔽コンクリートなど、多様な用途に対応していく日本の土木技術。

高い安全性を維持し環境保全にも目が向けられたこの技術は、私たちの未来にも確実に受け継がれていくことでしょう。