乾式止水材は、フィンガージョイントに使用する止水材です。製品そのものの体積が変化することで、遊間の伸び縮みに対応し、破損や損傷が起きにくい構造をしています。
そのため、止水性が高く漏水の恐れもありません。加えて、施工性も高いため、様々なメーカーで製造・取り扱いをしています。
この記事では、乾式止水材とは何かを構造も踏まえて解説し、取り扱いをしているメーカーと製品の特徴をまとめました。
乾式止水材とは
乾式止水材は、鋼製の伸縮装置(フィンガージョイント)に使用する製品です。一般的に、止水材には弾性シール材を使うことが多いですが、劣化するのが早く、漏水の可能性も高いので、シール材に代わるものとして登場しました。
具体的なその特徴を以下の2点から解説します。
- 柔軟性が高い
- 止水・施工性が高い
柔軟性が高い
最大の特徴は、乾式止水材には「フォーム」と呼ばれる収縮する構造がある点です。フォームが伸び縮みすることで、伸縮装置の多次元の動きに対応し製品の脱落を防いでいます。
また、柔軟性が高いことで変形した際の応力も少なくなります。そのため、伸縮装置との接着面やフォーム自体に力が加わりにくくなり、耐久性も高くなるのです。
止水・施工性が高い
弾性シール材の場合、劣化速度はとても早く、平均して6年ほどで漏水機能を失う傾向にあります。一方で乾式止水材は、接着面が剥がれたり、止水材そのものが脱落することもないので、止水機能を長く保つことが可能です。
加えて、取り付けも道路の下で作業を行うため、路面規制が必要ありません。作業も比較的簡単で日数も短くなるので、施工性だけでなく経済的にも優れています。
各メーカーの乾式止水材
乾式止水材は各メーカーで製造や取扱いされています。その中から以下3つをピックアップして紹介します。
- バリアレックス
- プレスアドラー
- ライトレックス
バリアレックス
バリアレックスはニッタ株式会社が製造する乾式止水材で、全国1,600橋以上に設置した実績があります。
連続気泡フォームと止水膜を一体化したもので、試験で4,000回の繰り返し伸縮を行っても、亀裂などの損傷もなく漏水もないほど耐久性が高いです。
プレスアドラー
プレスアドラーは中井商工株式会社の製品で、発泡スポンジを使用した支持層とウレタンシートの止水層で構成されています。
2次止水としてゴムパッキンを併用することもできるので、漏水対策に優れた製品です。
ライトレックス
ライトレックスは旭化工株式会社の製品で、高い連続気泡率があり、フォーム自体に撥水性が備わっています。
伸縮試験による結果では、365日×30年相当にあたる11,000回を行っても漏水がなく、耐久性が非常に高い製品です。