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地覆ジョイントとは – 端部の止水性を上げる伸縮装置

【地覆ジョイント】(じふくじょいんと)

伸縮装置の部材の一種で、地覆部に入り込むよう設置されるものであり、止水効果を高める装置のこと。

地覆ジョイントとは、橋の地覆部(端部)に入り込むよう設置されるものであり、両側の空隙をシール材やコンクリートで埋めることで橋の伸縮を吸収し、また止水効果を高める装置です。
通常の伸縮装置とは異なる地覆ジョイントの設置理由と、橋の境界部で見られる建設の技術に迫り、橋梁構造の意外な仕組みを学んでいきましょう。

橋に遊間をつくる理由

橋梁は温度変化により伸び縮みをするため、新設する際に遊間を設けることで橋桁と橋台、または橋桁と橋桁がぶつかり合わないように設計されています。
四季による寒暖差や地震の多い日本では橋の素材に伸び縮みが発生しやすく、橋がわずかにでも変形する恐れがあります
しかし遊間部を設けることで、橋桁と橋台同士がぶつかり合うことを防ぎ道路の安全性が確保されます。

地覆ジョイントの役割

地覆 縁石

普段何気なく通る橋には、その端部に転落を防ぐ高欄や地覆ブロックが設置されます。
伸縮装置の端部は桁の境界部であるため隙間が空いており、そのままの状態では水漏れなど下部構造である支承を傷める原因となります。
遊間の小さい橋であれば漏水のリスクも少ないため、バックアップ材を詰め、シール材にて止水を行うのが一般的です。

しかし遊間が広い場合、シール材の弾性だけでは伸縮を吸収しきれないことや、
シール材の自重で変形・破損してしまう可能性が大きいため、地覆部専用の
伸縮装置(地覆ジョイント)を設置します。
伸縮装置のゴム部分で伸縮を受け止めることにより、高い耐久性が実現できます。

地覆ジョイントの高い止水性能

地覆ジョイント最大の特徴は、高い止水性にあります。
シール材を適用した場合では、コストを抑えられるといったメリットがある反面、施工から一定期間経過すると漏水や劣化、破損が目立つ傾向があります。
一方で地覆ジョイントの搭載は、耐久性に加え高い止水性を確保しており、維持管理も容易であるといったメリットがあります。
路面における水はけの良し悪しは、車両事故や予期せぬトラブルに大きく関わるところです。
アクシデントを未然に防ぐなど、高い止水性能を持つ地覆ジョイントの設置は道路環境の安全性を保つことに役立ちます。

地覆ジョイントが入らない場合

橋梁には様々な形状があり、伸縮装置の形も多様なバリエーションが存在します。
橋の構造上、地覆ジョイントを搭載したくても装置が埋め込めないケースもあり、そうした時には代替え方法としてシール材での処理が行われます。
道路を歩いているときに、地覆のつなぎ目部分で黒や灰色をしたテープのようなものを見た経験はないでしょうか。
実はそのテープのようなものこそがシール材と呼ばれる材料であり、橋の端部で使用される場合は、橋の止水性に寄与しているものになります。遊間部はバックアップ材を詰めシール材で覆われますが、伸縮性が低く橋の伸び縮みにより経年劣化するため、いずれ漏水が起こることから修繕サイクルの速い処理方法だと言えます。

地覆ジョイントの施工手順

地覆ジョイントはメーカーにより、「地覆ジョイント」のほか、「アップスタンド」「遮水エッジ」など呼び方が異なります。
施工手順は以下のように2つの工程を経て行われます。

  1. 遊間部に入り込むように地覆ジョイントを設置する
  2. 両側の空隙をシール材やコンクリート、モルタルなどで埋める

伸縮自体は地覆ジョイントの内側で吸収できるため、地覆ジョイントの両側は伸縮を吸収する必要がなく、コンクリートなどで固めてしまっても問題ありません。
地覆ジョイントの形状はメーカーにより異なり、サイズや機能も伸縮装置本体に合わせて豊富に存在します。
伸縮装置本体と地覆ジョイントを別々に納品して現場で組み合わせるものや、工場で一体化してくるものもあります。
橋梁の規模や形に合わせた製品を設置することで橋の安全性が保たれます。

まとめ

地覆ジョイントは橋梁の地覆部に設置する伸縮装置のことであり、比較的遊間の広い橋梁に搭載される機器でした。
橋という巨大構造物にはあえて“あそび(遊間)”が設けられており、素材の伸縮により橋桁と橋台がぶつかり合わないよう隙間を開ける構造は、知る人ぞ知る構造様式です。

多様な形状がある地覆ジョイントですが、自然環境や橋の構造を加味した上で最適な製品を選ぶことも、技術者の重要な仕事です。
そのため、工事調査や施工計画を立てる際には綿密な計算が行われます。
普段渡る橋の境界部では、橋の保全に関わる大切な施工が施されています。
見た目には変哲のない伸縮装置ですが、安全にかかわる役割を担う装置に、意外性や面白さを感じ取ってみてください。