伸縮装置は、設置後そのまま放置、という訳ではありません。定期的にチェックをして、装置が十分に働ける状態かを確認する必要があります。
もし、装置に何らかの異常があれば、修理や交換をしなくてはいけません。これを怠ると、安全に車が走行できずに重大な事故につながる可能性もあります。
定期的な点検は、橋と装置の維持費も下げることができるので、とても重要な作業です。この記事では、伸縮装置の点検と補修についてまとめました。
伸縮装置の点検方法
伸縮装置の点検は、大きく3つの方法に分類されています。
- 日常点検
- 定期点検
- 臨時点検
実際に車で上を走り、その時の感覚や目視で確認をするのが日常点検。国土交通省のマニュアルに従って、漏水や変形等をチェックする定期点検。
さらに、この2つによって異常が報告された装置を対象に行うのが臨時点検です。日常のチェックは、小さな異常でもしっかりと記録しておかなくてはいけません。
点検ポイント
定期点検は、5年に1回程度のペースで行います。具体的なチェック内容は次の通りです。
なお、伸縮装置には各社で様々なものが開発されています。そのため、損傷部分もそれぞれに違うケースが多いので、その構造等を確認しておくことが求められます。
損傷レベルの判定
定期点検の主な目的は、その装置はすぐ交換が必要なのか、あるいは使用し続けていいのかを判別することです。
この判定は、装置の状況を元に判断しますが、大きく5つのランクに別れています。それぞれのランクに対応する状態を、一部抜粋して以下にまとめました。
装置の種類によって、即交換か使用継続かを決めるポイントが違います。もちろん、各メーカーが製作している装置ごとでも、損傷度を判別する内容は異なるので確認が必要です。
補修内容
点検により交換が必要となれば、基本的には伸縮装置全体を新しいものと入れ替えます。しかし、装置の特性上、部分的に取替えて対応できる場合は、部分補修で終えるケースもあります。
- ゴムジョイント:シールゴム等の交換で対応
- 埋設型ジョイント:表層の打ち換えで対応
とはいえ、補修した箇所とそのままの部分が機能的に連続できない恐れもあります。その場合、止水性が失われてしまい、補修しなかった場所まで破損することも。そのため、全体を入れ替えるか部分補修で対応可能かは、メーカーと十分協議することが大切です。
なお、装置の取替えについては、次の記事でまとめていますのでこちらをご覧ください。