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もう施工管理で悩まない!伸縮装置取替の要点10

伸縮装置なんてニッチな工種、めったにやらないし施工のことなんてわからない!
という方も多いのではないでしょうか。

そんな伸縮装置の施工管理に悩む方に向け、この記事では施工管理で悩まないために必要な伸縮装置取替の要点10項目をご紹介します。
積算に便利なコスト・工程面にも触れていますので、設計・積算担当の方も、ぜひご覧ください。

■要点一覧

施工管理で悩みがちな伸縮装置取替・取付の際の10の要点は以下の通りです。

  1. 新設or補修?
  2. 後付けor先付け?
  3. 気候条件は?
  4. 市場単価適用外の条件?
  5. コンクリートはどうやって管理する?
  6. 強度はどうする?
  7. 伸縮装置製作にかかる日数は?
  8. 施工費の求め方?
  9. 鋼床版タイプについて
  10. 完了時にしなくてはならないことは?

一つ一つ解説していきましょう!

■個別説明

新設or補修?

まず重要なのが、新設・補修どちらの施工なのか把握することです。

新設の場合は、桁を製作する際に事前に配筋しておく必要があります。
伸縮装置工より前の段階での段取りが不可欠で、桁を製作するメーカーと、伸縮装置を製作するメーカーと共同で製作を行う必要があることが特徴と言えるでしょう。

補修の場合は事前準備として現場調査と現場に合わせた製品の製作が必要となりますが、新設ほど大がかりな事前準備は不要です。
そのかわり、施工の際の条件がシビアになります。
一般に伸縮装置の工事は規制時間に斫りからコンクリート打設までを1日で仕上げるため、スケジュール管理が重要となるからです。

後述する後打ちコンクリートに「超速硬コンクリート」という短時間で強度が出る特殊なコンクリートを使用するなど、施工時間や工程計画上の工夫が必要になるのが補修の際の特徴です。

1車線で施工を行うのか、それとも2車線で施工を行うのかでも、市場単価が変わります。
注意しなくてはならないのが、1日で2か所を施工する場合でも、1か所1班ずつ施工をするのであれば、一般的に1車線相当と同等の費用が発生することです。

A1とA2の2か所を一日で施工する場合、すぐ「2車線相当だ」と判断するのではなく、各箇所に1班必要なのか、1班で2か所施工できるのか、正確に見極め、間違いのない積算をするように注意しましょう。

後付けor先付け?

伸縮装置の設置スケジュールは、舗装工よりも先に付ける先付け工法と、後に付ける後付け工法の2種類に大別されます。
双方にメリット・デメリットがあります。

メリットデメリット
先付伸縮装置を先に設置するため、施工による舗装の汚れが発生しない。型枠工の後にレベル出しが必要となり、正しい設置位置を出すまでに時間がかかる。
伸縮装置の後打ちコンクリート部分に防水工を施すことができる。
後付舗装が先に出来上がるため、レベル出しが比較的容易である。
施工時間を短縮できる。
コンクリート打設やカッター工、補修の場合は既設ジョイント撤去のための斫りによって舗装が汚れる可能性が高い。
伸縮装置の後打ちコンクリート部分に防水工を施すことができない。

補修では後付けが多いというわけではなく、先付の場合もあります。施工条件に合わせて選ぶと良いでしょう。

気候条件は?

橋梁は温度変化によって桁が収縮するため、その伸縮を吸収するのが伸縮装置の役割です。
つまり施工の時期によっては、設計書の伸縮装置の標準的な伸縮量よりも遊間は伸びたり、縮んだりした状態になりますので、現場条件に合わせて設置しなくてはなりません。

メーカーは現場に合わせて予備圧縮と呼ばれる温度変化に合わせた伸縮装置幅を設定しています。
設計図の作成や積算では考慮されませんが、実際の施工を行う際はとても重要な要素となりますので、製品の発注の際は施工時期を必ず意識しておきましょう。

市場単価適用外の条件?

伸縮装置には市場単価が設定されていますが、一部の橋梁では市場単価が適応されない場合があります。
市場単価が適応されない例として、代表的な事例は下記の3つです。

  1. フィンガージョイントから簡易鋼製ジョイントへの補修:大規模な溶断工が発生するため
  2. 鋼床版のジョイント:スタッド工などの通常の伸縮装置工では発生しない工種が発生するため
  3. 重量型のジョイント:吊り下しのためのクレーン車の手配等で手間が発生するため

これらは例外となりますので、注意しましょう。
なお、製品ジョイントは重量によって軽量型・普通型・重量型の3種別に分けることが出来ます。
重量型だけでなく、軽量型と普通型でもそれぞれ市場単価が変わりますので、注意しましょう。

コンクリートはどうやって管理する?

埋設ジョイント、フィンガージョイントを除いて、製品ジョイントには後打ちコンクリートの打設が工種として含まれています。

必要とされる強度や条件は、特記仕様書や指定の仕様書に従うようにします。
補修工事でよく使用される超速硬コンクリートでは、24N/mm2の強度が基準になります。

強度はどうする?

製品ジョイントには、簡易的な形状の突合せ型と、より大きな荷重も支持出来る荷重支持型の2種類が存在します。

突合せ型は荷重支持型よりも単純な構造をとるため、耐久性や性能は劣りますがその分低コストで設置出来るのがメリットです。
交通量や伸縮量から、その道路に求められる強度を満たす伸縮装置を選ぶようにしましょう。

施工管理で重要になるのが、鉄筋の本数です。
一般に、コンクリートは鉄筋の数が増えれば増えるほど強固となります。
設計書以上の本数を満たす鉄筋の数で設置出来たかどうか、設置時は必ず記録に残しましょう。

伸縮装置製作にかかる日数は?

製品ジョイントの製作に係る日数は、メーカーや伸縮装置の種類によっても変わりますが、一般的に1~2か月ほど必要となります。

特に補修では、現場状況に合わせて設計図を引き直して製作するため、直前に手配しても製作が間に合わない!ということも。
手配は前倒して行うことをお勧めします。

施工費の求め方は?

現場状況にもよりますが、積算の施工日数や施工人員の計算が不十分な例が多くみられます。
一般的に、4mで特殊作業員が2名ほど必要となります。

フィンガージョイントの補修では、フィンガー溶断工が増えるためさらに1名追加されます。
また、ガードマン(規制)の配置は片側規制ですと最低3名(両端と施工箇所につき一人)配置する必要があります。

安全な施工を行うためにも、施工費の正確な計算は不可欠ですので、十分な人員配置を心がけましょう。

鋼床版タイプについて

鋼床版は、スタッド工が増えるなど、特殊な施工が必要となります。
特に補修工事では斫りから打設まで1日の規制内で行うにはすでに厳しい施工時間を、さらに圧縮しなければ工事を一日で完了させるのが難しいです。

事前に舗装にカッターを施したり、規制時間に間に合わないようであれば、斫り工の後は一度合材で仮埋めを行い、別日に設置を行うなどの工夫を講じましょう。

完了時にしなくてはならないことは?

伸縮装置工に限ったことではありませんが、工事完了後は出来形および数量の確認が不可欠となります。
施工管理写真・黒板の記入は忘れず、記入漏れやミスのないよう注意して行いましょう。