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伸縮装置の耐用年数|製品ごとの基準とコストの関係を解説

伸縮装置の耐用年数は、一般的には30年とされています。ですが、製品によっては50年以上も使えるものがあり、細かい年数は種類によってバラバラです。

また、装置に求める寿命は、発注者によっても変わります。そのため、必要な条件等の十分な協議を行い、それに合わせた伸縮装置を選ばなくてはいけません。

この記事では、伸縮装置の耐用年数についてまとめました。装置の寿命は、生涯にかかる費用にも関係するので、その点も考慮して検討することが重要です。

伸縮装置に求められる耐用年数

伸縮装置に求められる耐用年数は、発注者によって変わります。一般的には30年が寿命のラインとされていますが、NEXCO(ネクスコ)の設計要領によると以下のように定められています。

伸縮装置の種類照査期間
埋設ジョイント15年
製品ジョイント30年
鋼製フィンガージョイント50年
参考:設計要領/NEXCO総研(高速道路総合技術研究所)

ただし、耐用年数の基準は発注者によっても違うため、十分な協議が必要です。参考までに、千葉県松戸市の計画には以下のように記されているので紹介します。

メーカーによって耐用年数は異なる

各伸縮装置の構造は、メーカーが設計しているのでそれぞれで異なります。そのため、耐用年数にも違いがあるので、製造元に確認しないと正確にはわかりません。

具体的な製品は、次のページで紹介していますのでご覧ください。

≫製品名から伸縮装置を探す

基本的には、鋼を使用するフィンガージョイントが1番耐用年数が長く、特殊な舗装材を使う埋設型は短いです。

各メーカーでオリジナルに作られる製品ジョイントは、コストを抑える等の目的で、部分的にゴム材を使っています。ゴムは耐久性が低く、劣化速度も早いので定期的な部分補修が必要です。

耐用年数とライフサイクルコスト

伸縮装置の耐用年数は、生涯費用(LCC:ライフサイクルコスト)にも大きく影響します。

使える年数が長ければ、生涯にかかるコストも抑えられます。しかし、製品の価格が高ければ、逆にマイナスになる可能性もあるので、バランスを見て考慮しなければいけません。

LCCの構成
  • イニシャルコスト:製品や設置に必要な費用
  • ランニングコスト:保全や改修に必要な費用

部分的な補修が定期的に必要でも、初期費用が抑えられていれば全体的にはお得、というケースもあります。その点も踏まえて、装置選びについて発注者と十分に協議することが大切です。

なお、伸縮装置の補修に関しては、次の記事にまとめていますのでそちらをご覧ください。

≫伸縮装置の補修方法|点検の種類と判定内容について解説