荷重支持型は、多くの場所で使用されている一般的な伸縮装置です。耐久力と伸縮性がとても高いので、大型の橋梁にも使われています。
構造としては、基本的に鋼材で作られることが多いです。しかし、鋼材にはコストなどのデメリットもあるので、解消するためにメーカーは独自の荷重支持型の装置も製造しています。
この記事では、荷重支持型の伸縮装置について特徴を踏まえて解説します。各企業が製造する装置まで紹介しますので、荷重支持型の知識は網羅できるはずです。
荷重支持型の伸縮装置とは?
伸縮装置は大きく2つに分類できます。それは、輪荷重を支えることができる構造か、そうではないかの2つです。
自動車の1個の車輪を通じて路面に伝わる鉛直荷重のこと
この荷重を支えられる構造が荷重支持型と呼ばれており、そうでないものは突合せ型となります。
伸縮装置は、橋や高速道路など、車が上を通過する場所に設置されることが常です。遊間が広い場合は、装置自体が車の重さに耐えられる構造である必要があります。
そのようなときにこの荷重支持型の伸縮装置が役立つのです。
荷重支持型伸縮装置のメリット・デメリット
伸縮装置は、種類によって適した環境や条件が違います。荷重支持型の場合、比較的交通量の多い大型の橋が1番最適です。
これは荷重支持型の特性が大きく関係しますので、メリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
メリットは次の2つです。
- 伸縮性が高い
- 耐久性が高い
車の荷重を装置自体で支えられるので、橋の遊間が広くても設置可能です。また、鋼材を主な構造に使用しているため、大きな車両が何度も通れる耐久力があります。
そのため、一般的に車道にはこの荷重支持型が使用されているのが現状です。特に、伸縮量の大きい大型の橋には重宝されています。
デメリット
デメリットは次の3つが挙げられます。
- コストが高い
- 騒音が大きい
- スリップしやすい
突合せ型や埋設型と比べて製品の費用が高いです。設置にも時間がかかるため、人件費により施工のコストも大きくなります。
また、装置の上を車両が通る際、大きな音がしやすいので周辺住民から苦情が出ることもあります。さらには、表面が鋼材だと雨で濡れて、車両が滑る可能性が高いので、これらのデメリットを考慮して設置箇所を考えなくてはいけません。
荷重支持型伸縮装置の事例を紹介
荷重支持型は鋼材で作られるのが一般的です。ですが、各社メーカーではゴム材などを組み合わせることで、騒音への対策やコスト削減がされているオリジナルな装置も開発されています。
各メーカーの装置から、ピックアップして3つご紹介しましょう。
トランスフレックスジョイント
クロロプレンゴムと鋼材の一体構造となっているこの伸縮装置は、とてもシンプルで取り付けがかなり簡単です。構造の多くをゴムにしているため、車両へ伝わる衝撃が少なく、騒音もとても少ない特徴があります。
ウェイビー・フック・ジョイント
波型の構造をしたこの伸縮装置は、鋼材とゴム材を使用して作られています。止水ゴムと止水ゴムシートの2つで、完全非排水を可能にしており、波型の構造により、耐震性と走行性を高めている装置です。
マウラージョイント
鋼材を中心に作られているこの装置は、構造がシンプルで、伸縮量が小さい80mmから大きい800mmまで対応できるのが特徴です。鋼材なので耐久性がとても高く、雨水の侵入を防ぐために使用しているシールゴムは、その部分だけ交換ができるためライフサイクルコストが節約できます。
以上です。この他にも、各社に様々な荷重支持型の装置がありますので、以下のページを参考にご覧ください。