伸縮装置を撤去して、新しい伸縮装置を設置して、コンクリートを打設して硬化を待って…
そう思うと、8時間の交通規制では到底間に合わないような気がしますよね。
そこで欠かせないのが「超速硬コンクリート」です。
超速硬コンクリートとは
「超速硬コンクリート」とは、硬化時間が短く、高い強度を実現するコンクリートのことです。
硬化時間が短いため、1日で工事を完了できたり、夜間施工でも翌朝の交通開放を実現できるなど、
メリットはたくさんあります。
基本的には交通規制により施工の時間が限られている取替工事の際に使用するものですが、
工期が迫っている場合など稀に新設の場合でも使用することがあります。
超速硬コンクリートの打設方法
超速硬コンクリートの打設方法は大きく2つあります。
①手練り
各社の材料を購入し、コンクリートミキサーで現場練りをして打設する方法です。
温度管理や混和剤の量の調整など、熟練が必要になります。
②モービル車
コンクリートを車輌ごと手配する方法です。
依頼すれば、オペレーターがコンクリートの品質管理をしてくれます。
車輌が大型であるため、狭い現場では使用できません。
また、少量の使用であっても、最低1m3分程度の保証料がかかります。
各メーカーの超速硬コンクリート
それでは、メーカー各社の代表的な製品を紹介していきます。
基本的な性能は同等ですが、扱っているメーカーは限られているため
覚えておきましょう!
小野田ケミコ株式会社
製品名:スーパージェットコンクリート
特長:3時間で24N/mm2以上の強度を発現。長期にわたって安定した強度増進を示します。
また、凝結遅延剤の添加量を調節することにより、ハンドリングタイムの調節が可能です。
繊維を混入することにより、ひび割れ抵抗性、曲げ・引張強度の向上が図れます。
住友大阪セメント株式会社
製品名:ジェットセメント
特長:3時間で実用強度を実現するため、緊急工事や工期短縮が可能です。
早期交通開放に使用する超速硬セメントとして使用でき、
橋梁では“伸縮継手補修”、“床板打ち替え”、“床板増厚拡幅に伴う間詰”が用途です。
Denka株式会社
製品名:スーパーコンクリートパック
特長:こちらも3時間で実用強度を得られ、凝結遅延剤との配合によっては、24N/mm2 以上の実用強度を発現します。
スランプロス(生コン車がプラントから現場に到着する間に、生コンの疑結が進むこと)が少なく作業性に優れています。
また、ブリーディング(生コンクリートの中に含まれる水分が、比重が小さいがためにコンクリートの表面に浮き出す現象)がなく、
硬化後の収縮性が小さいため、鉄筋との付着および旧コンクリートとの密着性が優れています。