橋梁台帳見てたんですけど、この製品、よく見かけますねー。
この製品はかなり昔からあるからね~。そのぶん、使われている橋も多いんだよ。
そういえば、伸縮装置って、どれくらい昔からある技術なんですか?
元はと言えば高速道路が生まれたヨーロッパで生まれた技術だけど、日本に入ってきたのは戦後からかなぁ…たぶん。
ふたりとも、今に至るまで伸縮装置がどんなふうに発展してきたか知っているかい?
そういえば、伸縮装置の始まりとか、考えたことなかったですね…
僕もわかりません!
元気よく言うことじゃないと思うが…まあいい機会だから一緒に勉強しよう。
まずは道路の歴史を学ぼう!
549年に日本で初めての人口の道路ができたのが日本の道路の歴史の始まりと言える。
本格的な道路づくりが始まったのは明治時代からで、1876年に国道・県道・里道が定められ、初めて国道の路線(44路線)が公表されるなど、近代国家としての道路に関する制度づくりが進められた。
最初の道路が作られたのは結構昔なのに、計画的に道路が作られるようになったのはだいぶ後なんですね。
まあ、明治以前に作られていたのは人や馬が通行するための道路だからね。
通行するのに不便なところを整備するくらいで良かったんだよ。
1952年 現行の道路法が制定された
1953年 日本で初の有料道路である参宮有料道路が開通
1956年 日本道路公団が発足
このあと、一気に道路整備が進むことが起きるんだが、わかるかな?
えーっと……あ、東京オリンピックだ!
その通り。1964年の東京オリンピックに向けて、首都高速道路などを始めとした主幹道路が一斉に整備されることになったんだ。
伸縮装置の歴史
さて、伸縮装置の歴史についてだけど、だいたいこんな感じで発展したと考えられるよ。
1960年ごろ それまで輸入品を使っていたが、横浜ゴム㈱がセルタイプの製品を作り始めた
1970年ごろ ショーボンド建設㈱が突合せタイプの製品を発表。爆発的に売れた
1985年ごろ ニッタ㈱が表面ゴム製の製品を発表した
2000年ごろからは複数のメーカーがさまざまな形状の製品を発表している
今も使われている製品もありますね。歴史ある製品だったんだ…
最近、伸縮装置に求められる性能がどんどん高くなってきている。
この背景には、国土交通省の発表した橋梁の長寿命化計画があるんだ。
橋梁の長寿命化計画で定められたこと…
- 舗装の再防水化
- 伸縮装置の非排水化
- 排水桝の清掃(機能回復)
- 支承まわりの清掃
見てわかる通り、伸縮装置の非排水化が含まれているよね。つまり、橋の長寿命化において、伸縮装置の止水性能を上げることが要求されるようになった。
だから、伸縮装置に多様な性能を求められるようになっているんですね。
伸縮装置の非排水化のためには、止水性だけじゃなく、耐久性など他の性能も上げる必要があるってことだね。
そういうこと。
今後も新しい視点の、いい製品がたくさん発表されることを願ってるよ。