新しく伸縮装置の担当になったはいいけど、そもそも伸縮装置のことなんて全然わからないよ~!
勉強するにしても、いったい何から調べたらいいんだろう…
ワタルくん、悩んでるみたいね。どうしたの?
あっツナグ先輩! 実は、伸縮装置の担当になって…
でもこれまでちゃんと考えたことなかったから全然わからないんです!
そっか、私で良ければ相談に乗るよ~!
勉強するにしても、いったい何から調べたらいいんだろう…
そもそも、伸縮装置って何のために設置するの?
そもそも、伸縮装置ってどの部分のことなのか、実はよくわかってなくて…
じゃあ、まずはそこから説明するね!
橋はだいたいこのような構造になっているよ。
「橋台(躯体)」の上に「橋桁(はしげた)」が架けられて、「橋」というものが出来上がるの。
橋を架けたい距離が長い場合は、途中に「橋脚」を設けることで橋桁を分けることもあるよ。
橋台と橋桁の間と、橋桁と橋桁の間に伸縮装置がついてますね!
橋桁は温度変化や振動、ひずみなどの影響で常に動いているの。
それらの動きに対して何も対処しなかったら、橋が割れちゃうよね?
だから、橋桁の動きに追従できる伸縮装置を設置することで、橋を守っているんだよ!
なるほど~!
でも逆に「伸縮装置が弱点になることもある」って聞いたことがありますよ。
それは伸縮装置から漏水してしまったり、騒音が発生してしまったりすることを言っているんだと思うよ。
あってはならないことだけど、施工精度も大きく影響するから、施工管理のときに「水道(みずみち)ができてしまっていないか」「据え付け高さは大丈夫か」など、気を配ることが重要だよ。
伸縮装置の種類いっぱいありすぎ!?
つけなきゃいけないものなのはわかったけど、種類がいっぱいありすぎですよ~!1種類に統一できないんですか!?
えーっと、それはちょっと難しいかな…
何でですか?
伸縮装置っていうのは目的によって求められる性能が少しずつ違うから、全く同じ製品ですべての用途をカバーするのは難しいの。
目的は橋桁の動きを吸収することですよね?それ以外にあるんですか?
もちろん、大きな目的は橋桁の動きに応じて伸縮することだけど、たとえば車道と歩道で要求される性能は違うわけだよ。
車道では車の重さに耐えられるように頑丈な製品である必要があるし、歩道では歩行者がつまづいたりしないように隙間の小さい製品である必要がある。
これらの現場ごとに異なる条件を完全に満たす製品を1つだけ作るというのは、現実的ではないよね。
だから、現場ごとに最も適切な製品を選定して設置するために、様々な特徴の製品が作り出されてきたんだよ。
なるほど!それなら色んな製品があることにも納得です。さまざまな現場条件に応じた製品を、各メーカーが開発しているということなんですね。
そういうこと。現場ごとに求められる性能は違うんだから、適当に決めたりしたらダメだよ!
伸縮装置の設置目的や現場条件をよく考えて、製品を決めることが重要です。これから伸縮装置を扱うという皆さんも、しっかり比較検討してみてください♪
は~い!