ワタルくん
こんな小さな橋にも伸縮装置が設置されてる…
ワタルくん
伸縮装置の設置基準って明確に決まってるのかな?
ツナグ先輩
ワタルくん、どうかした?
ワタルくん
あ、ツナグ先輩…
伸縮装置を設置する目的は、橋桁の動きに追従して橋を守ることですよね?
ツナグ先輩
そうだよー。
ワタルくん
ということは、小規模の橋で、ほとんど動かない「固定支承」の箇所なら、伸縮装置を設置する必要はないんじゃないですか?
ツナグ先輩
えっ!?そ、それは…そう言われてみれば、そうかも…?
ハシモトさん
ちょっと待った~!
ツナグ先輩
ハシモトさん!
ハシモトさん
伸縮装置は確かに橋桁の動きに対応するために設置するものだよ。
ハシモトさん
でもね、それだけじゃないんだ。橋本体の構成物って、橋桁だけじゃないよね?
ワタルくん
橋本体の構成物…?
ツナグ先輩
…あ、舗装ですか?
ハシモトさん
その通り。実際、橋の中で一番見えている部分は橋面の舗装だよね。
ハシモトさん
そして、このアスファルトも当然、温度変化により伸縮する。そうすると…
ワタルくん
舗装に亀裂が~!
ハシモトさん
ここは条件的に、伸縮装置の設置は必要ないと判断されたんだと思うよ。
しかし、温度変化で伸び縮みした結果、逃げ場のない舗装はここで割れてしまったんだ。
ツナグ先輩
こうなると、橋面から水が回って、橋自体が傷みやすくなっちゃいますね…
ハシモトさん
伸縮装置は安いものではないから、健全な製品を簡単に取り換えるような無駄遣いは絶対にしちゃいけない。でも、コストを抑えることを重視するあまり、橋梁の寿命が短くなってしまうのは本末転倒だよね。
ワタルくん
計算上で見える部分だけでなく、現場もよく見て、設置するかどうか判断することが大事なんですね!