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伸縮装置を鋼床版に設置するときのチェックポイント!

伸縮装置の取替を検討しようと思ったら、橋種が鋼床版だった!という経験はありませんか?
鋼床版は重量を軽くできたり、構造高が低くできたり、現地での工期を大幅に短縮することができる
というメリットがありますが、伸縮装置の取替においては注意しなければならない点があるので、
ご紹介します。

鋼床版とその他の床版で異なる点

そもそも、鋼床版とその他の床版(PC床版、RC床版、合成床版等)で異なる点は何でしょうか。
大きな違いは「舗装の下がすぐ鋼材である」という点です。
通常50~80mm程度の厚みである舗装の下がすぐ鋼材ですので、一般的な伸縮装置をそのまま
設置するのは難しいということがお分かりいただけると思います。

このため、鋼床版に伸縮装置を設置する際には、通常と異なる注意が必要となります。

鋼床版に設置する伸縮装置

それでは、鋼床版に伸縮装置を設置したい(取り替えたい)という場合には、
どうすれば良いのでしょうか。
結論から申し上げますと、鋼床版専用の伸縮装置を設置するのが良いでしょう。
通常の製品の中でも舗装内に収まる薄いものを設置するという方法もありますが、
もともと鋼床版は振動やひずみが大きい床版なので、専用製品を用いるのが安心です。
鋼床版専用の伸縮装置は以下のような特徴を持っています。

①舗装内に収まる形状であること

当たり前ですが、舗装内に収まる形状でなくてはなりません。

②鋼床版にしっかり固定できること

後述しますが、鋼床版への固定はスタッドボルトまたは高力ボルトにて行うのが一般的です。
そういった方法で固定できる製品である必要があります。

③振動やひずみに耐えうること

鋼床版は振動やひずみが大きく、当初想定していた動きと異なる動きをすることも
しばしばあります。
伸縮構造が柔軟でなかったり、複雑な形状をしているものは不向きと言えます。

鋼床版への伸縮装置の固定方法

コンクリート床版への伸縮装置の固定は、取替の場合、拡張式アンカーで行うのが一般的です。
しかしながら、鋼床版は鋼材でできていますので、拡張式アンカーを設置することができません。
よって、鋼床版にアンカーを固定するためには、別の手法をとる必要があります。
代表的な方法が2つありますので、それぞれについてご説明します。

①スタッドボルトによる固定

現場にてスタッド工を行う方法です。
溶接跡が鋼床版の裏に残りますので、塗装工がある場合は伸縮装置工の後に行った方が良いでしょう。
スタッド工は工場などで良く施工されていますが、実はとても大掛かりな設備となっているため、
現場でのスタッド工にも大型の溶接機が必要になります。
現場スタッド工は大型の溶接機と運搬車両が常用となりますので、「スタッド工だから1本数百円」
というような積算をしてしまわないよう注意が必要です。

②高力ボルトによる固定

鋼床版に孔を開け、高力ボルトにて固定する方法です。
鋼床版自体にかなりの数の孔を開けることになるので、強度の確認が特に重要です。
また、ボルトを桁の上下から押さえる必要があるので、桁下にも人員が必要となります。

代表的な伸縮装置

鋼床版に設置可能な伸縮装置の中で、代表的なものをご紹介します。

①ハイブリッドジョイントCSタイプ

メーカー:株式会社クリテック工業

②チューリップジョイントSJシリーズ(鋼床版型)

メーカー:山陽化学株式会社

③スーパーガイトップジョイントK型

メーカー:中外道路株式会社

まとめ

①鋼床版の伸縮装置には専用のタイプを検討すべし
②固定方法は2種類あり、状況に応じて選定すべし
③詳しいことは鋼床版用の製品を扱っているメーカーに聞くべし