伸縮装置を取り付ける橋にはどういった分類があるのでしょうか。
この記事では、橋の種類と、伸縮装置選定時の橋ごとの注意点をご紹介します!
【1】橋の種類
橋梁は大きく鋼橋とPC橋に分かれます。
鋼橋は鋼板とボルトの組み合わせで作るのに対し、PC橋はコンクリートを圧縮して作ります。
PC橋の方が技術的には新しく、コスト面が優れているのが特徴です。
それに対し、鋼橋はコストは少し高くなりますが、供用後のメンテナンスのしやすさなどにメリットがあります。
ちなみに写真は道路橋として日本初の鋼橋、永代橋です。
夜になるとライトアップされてとてもきれいなので、近くに行かれた際はぜひご覧になってみてください!
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【2】伸縮装置選定の橋種による違い
基本的に、PC橋の場合でも鋼橋の場合でも、橋を繋ぐためには伸縮装置が必要になります。
選定時に影響するのは「線膨張係数」です。
線膨張係数とは、温度変化による長さの変化率を示したものです。
PC橋の場合は10×10^(-6)、鋼橋の場合は12×10^(-6)と定められています。
つまり、
気温が1℃上がると、PC橋1メートルは10×10^(-6)メートル伸び、
鋼橋1メートルは12×10^(-6)メートル伸びます。
鋼橋はPC橋の1.2倍の伸縮量があるということです。
よって、選定の時には、鋼橋の方がより大きな伸縮装置が必要になります。
【3】橋種ごとの伸縮装置選定の注意点
伸縮量だけ気を付ければ良いかというと、そういうわけでもありません。
鋼橋の場合、PC橋と比較して「たわみ」「揺れ」が大きいという点が挙げられます。
たわみに弱い伸縮装置は選定しない方が無難です。
それに対して、PC橋は鋼橋に比べて桁厚が薄い傾向があります。
大型の製品は設置しづらいので、製品高さの低い製品が好まれます。
もっとも、製品高さを抑えることだけに気を取られて、製品やコンクリートの強度が
ないがしろになってしまっては本末転倒です。
どのような施工方法が良いか、よく検討して選定しましょう。
【4】まとめ
①伸縮装置は鋼橋に取り付けるものの方が少しだけ大型になる
②鋼橋はたわみが大きいことを考慮し、たわみに強い製品を選定すべし
③PC橋は桁厚を確認し、薄い場合は施工方法をよく検討すべし