伸縮装置の両側の地覆ではどのような処理をしたらよいか、以前の記事でご紹介しました。
伸縮装置の地覆処理―意外な落とし穴!地覆次第で止水性は大きく変わる
この中でカバープレートについて少しだけ触れていますが、説明足らずでしたので、
この記事ではカバープレートの種類などについてご紹介します。
壁高欄カバープレートの種類
壁高欄用のカバープレートの形状は、代表的なもので3つあります。
①片止めカバープレート

最もシンプルな形状で、よく見かけます。
ステンレス製またはメッキ加工のプレートを使用します。
<設置例>
②両側止めカバープレート

伸縮量の大きい橋梁でよく見かけます。
ステンレス製またはメッキ加工のプレートを使用します。
<設置例>

③ゴムと組み合わせたカバープレート

橋軸直角方向や鉛直方向など、イレギュラーな動きのある橋梁で見かけます。
ステンレス製またはメッキ加工のプレート及びクロロプレン系のゴムを使用します。
<設置例>
カバープレートに関する注意点
①の片止めタイプは多くの橋梁で使用されていますが、伸縮量や遊間が大きな現場では注意が必要です。
伸縮量が大きくなると、カバープレートも大型になっていくので、重量に耐えられない可能性があります。
それが懸念される場合は、②の両側止めタイプになることが多いです。
②の両側止めタイプは、カバープレートが大型になる場合によく使われます。
しかし、橋軸方向以外の動き(橋軸直角方向、鉛直方向など)がある橋梁だと、ボルトが取れてしまう可能性があります。
橋軸方向以外の動きがある橋梁では、避けるのが無難です。
③のゴムとの組み合わせタイプは、比較的どんな橋梁にも適応できます。
橋軸方向以外の動きをゴムが吸収してくれるためです。
もっとも、加工したゴムを使用する分、①②と比べて価格は少々高くなるのと、納期も長くなる傾向があります。
また、カバープレートには、ガードレールなどと同様、必ず「向き」があります。
車の走行方向の手前側に固定部分が来るように設計・設置するのです。
中央分離帯にカバープレートをつける場合は、写真のように、分割して
設置するのがよいでしょう。

親柱などの構造物があるために、このように設置できないケースもありますが、
それでも問題ないか、事前に確認しましょう。
まとめ
・設計条件をしっかり確認し、現場に合わせたカバープレートを選定すること
・カバープレートには適切な「向き」があるので、必ず確認すること