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ラーメン橋とは?【構造や特徴、種類や橋桁との違いについて解説】

ラーメン橋とは、橋桁と橋脚を一体化させた橋梁構造のことです。ラーメンはドイツ語の”Rahmen(ラーメン)”に由来しており、枠(わく)や額縁、骨組みを意味しています。

特徴としては、耐震性の高さや維持管理の負担が少なくなるなどのメリットがあります。一方で、温度の変化に対する影響が大きく、地盤が強固でなければ設置が難しい、というデメリットもあります。

この記事では、ラーメン橋の構造や一般的な桁橋との違いなどを解説しました。加えて、メリット・デメリットや、日本で有名なラーメン橋についても紹介します。

ラーメン橋の構造

ラーメン橋は、橋桁などで構成される上部構造と、橋脚などの下部構造を剛結させた造りです。剛結とは、部材の結合部が完全につながっており、力が加わっても接合部の角度が変わらない状態を指します。

そのため、ラーメン橋は曲げモーメント(引張力)を分散することができます。曲げモーメントとは、車両などの荷重がかかることで橋桁がたわみ、桁の下部に発生する大きな引張力のことです。

ラーメン橋では、橋桁にかかる曲げモーメントの一部を橋脚に伝達するので、力が分散されて橋桁の負担が少なくなります。これにより、橋桁を薄くすることができ、経済的でスリムな設計が可能になるのです。

桁橋との違い

桁橋(けたばし)とラーメン橋の最大の違いは”支承の有無”にあります。支承があれば桁橋、なければラーメン橋です。

それぞれの違いを一覧としてまとめました。

項目桁橋ラーメン橋
構造桁と橋脚が別々(支承あり)桁と橋脚が一体(支承なし)
力の伝達桁が曲がることで力を支える全体で力を分担する
耐震性支承部に力が集中し落橋リスクがある全体で抵抗するため落橋しにくい
適用地形あらゆる地形に汎用的に適用可能支点沈下に弱く良質な地盤が必要
コスト比較的安価で施工しやすい基礎が大きくなりコストがかかる場合がある

桁橋の支承は、桁の伸縮やたわみを吸収する重要な仕組みではあるものの、構造上として弱い部分でもあります。阪神・淡路大震災や東日本大震災では、多くの橋が支承の破損により落橋しているという事実もあります。

それに対しラーメン橋は、支承がないので地震の際の慣性力が分散されます。これにより地震エネルギーを吸収でき、倒壊を防ぐ粘り強い設計が可能です。

ラーメン橋の特徴

ラーメン橋の特徴は、橋脚と橋桁が一体となって動く、ということです。これにより、様々なメリットとデメリットがあるので、それぞれに分けて解説します。

メリット

ラーメン橋のメリットは次の通りです。

  • 高い耐震性
  • 維持管理の負担低減
  • 桁下空間の有効利用

高い耐震性

上部と下部の構造が一体化しているため、地震での落橋のリスクが非常に低いです。阪神・淡路大震災以降に耐震性の高さが再評価されており、都市直下型や南海トラフなどの大型の地震が懸念される日本では、もっとも重要な性能のひとつと言えます。

維持管理の負担低減

橋梁の維持管理において、もっとも補修頻度が高いのは支承と伸縮装置です。しかし、ラーメン橋はこの2つの部材を省略することができ、点検の手間や交換コストを大幅に削減できます。

桁下空間の有効利用

ラーメン橋は、荷重により発生する橋桁の引張力を橋全体で支えます。そのため、桁の高さを抑えることが可能で、橋の下の空間を広く確保できます。

立体交差などで道路の厚みを抑えたい場合に有効です。

デメリット

ラーメン橋のデメリットは次の通りです。

  • 強固な地盤が必要
  • 温度変化の影響が大
  • 設計が複雑

強固な地盤が必要

ラーメン橋は全体が一体化しているため、片側の橋脚だけが地盤沈下すると、橋全体に無理な力がかかります。その結果、致命的な損傷が起きる可能性が高いので、弱い地盤には不向きであり、杭基礎によって沈下を制御する必要があります。

温度変化の影響が大

コンクリートや金属は温度変化によって伸び縮みします。全体が固定されたラーメン橋の場合、伸縮しようとする力が内部応力となって蓄積することになるため、設計する際は厳密に影響を予測しなくてはいけません。

設計が複雑

ラーメン橋は不静定構造と呼ばれており、各応力が単純な力の釣り合いだけでは解明できない構造をしています。温度や乾燥収縮、クリープなどの複合的な要素を踏まえるため、構造解析がかなり複雑になります。

ラーメン橋の種類

ラーメン橋には、形状や用途によっていくつかの種類が存在します。代表的な形状を紹介します。

  • 門型ラーメン橋
  • 連続ラーメン橋
  • π(パイ)型ラーメン橋
  • 有ヒンジラーメン橋

門型ラーメン橋

ポータルラーメン橋とも呼ばれており、もっとも基本的で都市部ではよく目にする形式です。上部の桁と左右の橋脚が直角に剛結し、側面からみると門(ポータル)の形をしています。

構造全体で荷重を支えるため、単純な桁橋よりも桁の厚み(桁高)を薄くできます。そのため、道路条件により桁高を抑えたい場合や、支承・伸縮装置を減らして維持管理性を高めたいときに採用されます。

連続ラーメン橋

橋脚と桁が剛結する構造が、3つ以上の橋脚にまたがって切れ目なく連続する形式です。通常の橋は、橋脚ごとに分かれていますが、連続ラーメン橋は数メートルにわたり一本でつながっています。

地震エネルギーの分散で落橋を防ぐことができ、桁の継ぎ目がないので走行時の音や振動がせず、滑らかな走行が可能です。騒音対策が必要な市街地でも採用できます。

π(パイ)型ラーメン橋

山間部などの深い谷を渡る際によく使用される形式です。橋脚が斜めに開いた形状をしており、その姿がギリシャ文字のπ(パイ)に見えることから名付けられています。

斜めの橋脚を張り出すことで、支間長の実質的な距離が短くなります。これにより、深い谷から橋脚を立てる必要がなくなり、中央の桁を長く飛ばすことが可能です。

有ヒンジラーメン橋

通常のラーメン橋は完全に固定されていますが、この形式は桁の中央などにヒンジ(蝶番)を設けた構造をしています。このヒンジは、温度変化や乾燥収縮、クリープなどによって生じる不静定力を逃がすためにあります。

かつては長大橋で採用されましたが、ヒンジ部分の劣化や走行時の段差ショックなどが発生するため採用は減少しました。現代では指示管理の観点から評価が分かれています。

日本で有名なラーメン橋

日本国内には、技術的にも景観的にも優れたラーメン橋が数多く存在します。また、話題性によって観光地になっている橋も存在しているため、有名なラーメン橋をピックアップして紹介します。

江島大橋(鳥取県・島根県)

”ベタ踏み坂”としてテレビCMで話題となった橋です。PCラーメン構造という形式で、急勾配を実現しつつ、大型船が下を通れる高さを確保するために強固な構造が採用されています。

浜名大橋(静岡県)

浜名湖と太平洋をつなぐ今切口をまたぐ、国道1号線浜名バイパスの橋梁です。完成当時(1976年)は世界最大級の支間長であったこの橋は、太平洋の水平線を背景に曲線を描いており、ドライブコースとして高い人気があります。