拡張アンカーとは、橋梁などのコンクリート構造物に取り付けられる施工アンカーのひとつです。接着剤が未使用で施工期間が短く、現場でトルクの管理ができるので、土木・建設工事では広く使われています。
拡張アンカーが固定される原理は、摩擦とくさび効果の2つです。これらの力を発揮できるアンカーは様々開発されており、細かく分類すると8種類にも上ります。
この記事では、拡張アンカーの特徴や種類についてまとめました。加えて、施工方法や管理についても解説しましたので、拡張アンカーの基礎資料としてご覧ください。
拡張アンカーとは

拡張アンカーとは、構造物を固定させるために用いられる部材です。コンクリートにドリルなどで穴を開けて、その穴の中に取り付けた金属部を広げて圧着させることにより、摩擦とくさびの効果で固定する施工アンカーになります。
この方法の大きなメリットは次の2つです。
- 接着系アンカーと異なり待つ必要がない
- トルクの締め付けにより管理ができる
後付の施工アンカーには、金属拡張式の他に接着系があります。接着系は樹脂の硬化時間が必要となるので、拡張アンカーはその分だけ施工期間の短縮が可能です。
加えて、拡張アンカーは施工直後にトルクを締め付けることで施工ができます。
その一方で、ひび割れ条件による耐久性の低下や、開けた穴(穿孔)の状態などにより品質が変わるため、施工管理が重要とも言えます。
拡張アンカーの種類
拡張アンカーは金属系アンカーのひとつにグループ分けされています。その中でも、さらに打込み方式や締付け方式などに細分化されており、図にすると以下のようになります。

打込み方式と締付け方式の違いは取り付け方にあり、具体的には次のように異なっています。
| 分類 | 特徴 |
|---|---|
| 打込み方式 | ハンマーを用いて拡張部を広げ固定する |
| 締付け方式 | ナットを回転させて拡張部を広げ固定する |
打込み方式で代表的なものは芯棒打ち込み式です。施工が比較的簡単で、アンカーを目視で固着したかどうかを確認することができます。
締付け方式ではコーンナット式が代表的です。取り付けたものから直接削孔ができ、コンクリートの穴とアンカーの位置がずれないという特徴があります。
拡張アンカーの施工方法と管理

拡張アンカーの性能は、製品のスペックで決まるものではありません。現場でしっかりと施工することにより製品の性能が発揮されるので、施工管理はとても大切です。
基本的な施工は次の流れで行われます。
- 穿孔する位置の決定
- ドリルで穿孔
- 孔内の清掃
- アンカーの挿入
- アンカーの固定
この手順で、孔内の清掃はかなり重要な項目です。拡張アンカーの固着力は孔壁との摩擦に大きく依存しているので、孔内が綺麗でないと摩擦力が失われて性能が落ちる可能性があります。
また、拡張アンカーは締付けトルクも重要な要素です。締め付けが足りなければ定着不足となり、過剰に締め付ければボルトの破損などを引き起こし、どちらも性能が低下してしまいます。
これらの施工不良を解消するため、現在では穿孔と同時に切粉を吸引する方法や、トルクを見える化できるモジュールなどが開発されています。
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