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トラス橋とは?【構造と強度、特徴や種類について解説】

トラス橋とは、三角形をいくつも組み合わせた鉄骨の橋梁のことです。三角形の集合体は変形しにくい、という性質を利用することで、強度の高さと軽量化を同時に実現しています。

また、強度の他にも風の影響を受けにくい、というメリットもあります。ですが、建設の手間が多く、指示管理が難しいなどのデメリットもあるため、環境や条件に応じて採用するか否かを判断しなくてはいけません。

この記事では、トラス橋がなぜ強いとされるのか、その仕組みについてイラスト付きで解説します。加えて、メリット・デメリットなどの特徴や種類、有名なトラス橋についても紹介しましたのでご覧ください。

トラス橋の構造と仕組み

トラス橋は三角形の集合体で構成されています。この三角形を単位として組む骨組みのことをトラス構造、と呼んでいます。

通常の橋梁は、上から荷重がかかると橋全体が弓なりに曲がろうとします。しかし、トラス橋はこの曲げる力を、部材の長さ方向に働く力(圧縮力と引張力)に変換する仕組みになっています。

この仕組みにより、三角形は部材が折れない限り形が変わることはありません。そのため、三角形は変形しない唯一の多角形、とされています。

トラス橋はなぜ強い?

形が崩れにくい三角形を採用することで、橋全体の骨組みが安定します。これに加えて、トラス橋は部材の無駄を極限までそぎ落としていることが重要なポイントです。

橋を強くする場合、一般的には鉄板一枚ずつを分厚くする傾向にあります。その結果、橋そのものの重さ(死荷重)が大きくなり、橋桁を曲げる力も大きくなってしまいます。

一方で、トラス橋は必要な部分だけに三角形を組む構造をしています。一見、中身がスカスカで頼りなく見えますが、あれは強度を保ったまま軽量化に成功した姿なのです。

トラス橋の特徴

トラス橋の最大の特徴は三角形を使用した構造にあります。この造りにより、他の橋梁にはないメリット・デメリットがあるため、ぞれぞれ具体的に解説します。

メリット

トラス橋のメリットは次の通りです。

  • 軽量で省資源
  • 交通荷重に強い
  • 風の影響が少ない

軽量で省資源

トラス構造により部材を補足できるので、同程度のスパンである桁橋に比べて大幅な軽量化が可能になります。これにより、橋脚や基礎への負担が軽減され、加えて材料の削減などにより建設コストも抑えることができます。

交通荷重に強い

三角形の集合体は変形しにくいため、鉄道や大型車両などの重量級の交通荷重に対してとても強いです。たわみが少ないことは走行性においてとても重要なので、重い貨物列車などが通る鉄道橋によく採用されています。

風の影響が少ない

部材の間が空いているため、強風でも風が抜けやすいです。台風への対応や海峡にかかる橋において、この通気性は構造上の安定につながる上、骨組みから空が透けて見えることで圧迫感も少なくなります。

デメリット

トラス橋のデメリットは次の通りです。

  • 建設の手間が多い
  • 維持管理が難しい
  • 橋桁の上下で高さが出る

建設の手間が多い

トラス橋は多くの三角形があるため、たくさんの部材でつなぎ合わせる必要があります。部材点数も多くなり、高力ボルト締めや溶接などの接合作業も膨大に発生するため、制作や運搬、架設の工数が多くなりがちです。

維持管理が難しい

トラス橋はリベット・ボルト部が自然と多くなる構造です。そのため、腐食や疲労などが生まれやすい箇所も多くなり、点検や補修作業にたくさんのコストと労力が発生します。

加えて、部材が入り組んでおり、塗装の塗り替え面積が桁橋に比べて格段に多い、という欠点もあります。

橋桁の上下で高さが出る

トラス橋は構造上、ある程度の高さが必要になります。高さを抑える工夫もあるものの、基本的には上空、あるいは桁下への空間占有が大きい形式です。

トラス橋の種類

トラス橋は三角形を組み合わせた構造ではありますが、分類すると以下の内容で分けることができます。

  • 路面位置
  • トラス形式
  • 支間構成

路面位置

人や車が通る床版が、トラス構造のどの位置にあるかで以下のように分類できます。

上路トラス(じょうろとらす)

トラス骨組みの上に道路があるタイプです。

下路トラス(かろとらす)

トラス骨組みの下に道路があるタイプです。

中路トラス(ちゅうろとらす)

トラスの中間に道路があるタイプです。

トラス形式

三角形の組み方によって以下のように分類できます。

ワーレントラス

斜めの部材を「W」の字のように交互に配置した、現在最も主流の形式です。

プラットトラス

斜めの部材と、垂直の部材を組み合わせた形式です。

ハウトラス

プラットトラスとは逆に、斜めの部材に「圧縮力」がかかるようにした形式です。

支間構成

橋がどのように支えられているかで以下の分類ができます。

単純トラス

2つの橋脚の間に、1つのトラス橋が乗っている最も基本的な構造です。

連続トラス

1つのつながったトラス橋が、3つ以上の橋脚にまたがっている構造です。

ゲルバートラス(レンチカバートラス)

片持ち梁(カンチレバー)の原理を応用し、積み木をつなぐようにヒンジ(蝶番)で連結した構造です。

有名なトラス橋

トラス橋は日本国内に数多く存在しており、中には高い技術や機能美を要する橋梁もあります。その特徴も踏まえて具体的に紹介しましょう。

港大橋(大阪府)

大阪港の赤いシンボルである港大橋は、トラス橋として日本では最大の支間長、世界でも第3位を誇ります。

ゲルバートラスを採用しており、通常よりもはるかに強い超高張力鋼(ハイテン)を日本で初めて採用して部材断面積を減らすことで総重量を抑えることに成功した事例です。

生月大橋(長崎県)

生月大橋(いきつきおおはし)は3径間連続トラスが採用されており、この形式では世界最大の長さを誇ります。水色に塗装された美しい橋梁で、その長さは全長960m、中央径間400mもあります。

東京ゲートブリッジ(東京都)

東京ゲートブリッジは、その特異なシルエットから”恐竜橋”の愛称で親しまれています。この橋は、羽田空港と東京港の関係で上下に制限が設けられており、その解決方法としてトラス構造が採用されました。