ウォータージェット工法は、高圧の水を噴射して、コンクリートのはつりや劣化部分の除去、洗浄などを行う技術です。橋梁においては、伸縮装置の取替時や補修材を施工する際に用いられることがあります。
高圧水をコンクリートの表面に吹き付けると、水が微細な隙間に入り込み、内部から押し広げる圧力を発生させます。これにより、強度が下がった部分だけが破壊され、健全なコンクリートはそのまま残るという仕組みです。
使用される背景
橋梁の伸縮装置を取り換える場合、まずは既存のコンクリートを砕いて取り除くはつり作業が必須になります。
このはつり作業には、ブレーカー(削岩機)などの機械が用いられていました。しかし、機械による大きな衝撃は、問題のないコンクリートにまで強い振動を与えてしまい、微細なひび割れを発生させるリスクがありました。

悪い部分だけを取り除いて、健全な個所はそのまま無傷で残したい。このような課題を解決する技術としてウォータージェットは使用されています。
主な使われ方
橋梁や伸縮装置に関わるウォータージェットの使われ方は、以下の3つに分類できます。
- 取替時のコンクリート撤去
- 床版・桁端部の劣化コンクリート除去
- 補修材を施工する前の下地処理
取替時のコンクリート撤去
伸縮装置を取り換える場合、装置周辺のコンクリートを取り除く必要があります。その際、ブレーカーを用いてはつりが行われますが、作業中は振動や騒音が発生し、橋全体への影響も少なくありません。
ウォータージェットを使用すると、超高圧水によってコンクリートを除去できるため、打撃による振動を抑えることができます。これにより、マイクロクラックや鉄筋の損傷を防止できるのです。
床版・桁端部の劣化コンクリート除去
橋梁の末端は漏水や凍結防止剤の影響を受けやすい箇所で、コンクリートの劣化や鉄筋の腐食が問題になるケースが多いです。
ウォータージェットを使用すると、劣化したコンクリートだけを適切に取り除き、健全な個所を傷めずに作業がすることができます。
補修材を施工する前の下地処理
伸縮装置のまわりは、後打ちコンクリートや床版、地覆部などで、補修材やコンクリートを使用する場面が多いです。その際、劣化した部分や汚れが残っていると、新しく施工する材料が十分に付着しない可能性があります。
ウォータージェットで最初にはつり作業をすることで、表面が適度に凸凹になり、新しい材料と一体化させることが可能になります。
機械式のウォータージェット装置

ウォータージェットは作業員が手作業で行うだけでなく、機械化された装置ではつりや劣化部の除去をする形式もあります。機械式のウォータージェットでは、ノズルの移動速度や施工範囲を管理しながら、一定の範囲を連続して作業することが可能です。
- 安全性が高い
- 均一で高品質に仕上がる
- 負担の軽減と作業効率の向上
機械式は作業員が超高圧水の噴射口に近づく必要がなく、遠隔操作でコントロールできるので事故のリスクを低減できます。また、広範囲の作業で長時間稼働もできるため、工期も大幅に短くすることが可能です。
ただし、機械式は搬入スペースや施工の範囲、交通規制などの条件があり、必ずしも優れているわけではありません。施工箇所の環境に応じて、手動か機械か適切な方法を選ぶことが重要です。
