伸縮装置の下にある排水樋は、装置から漏れ出た雨水等を排水するために設置されています。漏水は橋の耐久性に大きな影響を及ぼすので、排水樋はそれを防止する大きな役割を担っています。
この記事では、伸縮装置の排水樋について、漏水の影響とともに解説しました。具体的な製品もまとめましたので、漏水対策の知識としてご覧ください。
伸縮装置下の排水樋の役割
伸縮装置の主な役割は、橋桁の伸び縮みによる橋梁の損傷を防止することです。しかし、伸縮装置を設置すると、その隙間から雨水が漏れ出す可能性が高くなります。
以前と違い、現在の装置は非排水型が一般的です。しかし、どんな高性能なものでも劣化や施工不良で漏水が発生する可能性は十分あります。
そこで、伸縮装置の真下に樋をつけることにより、漏れ出た雨水を排水する仕組みが検討されました。それが伸縮装置の排水樋です。
漏水の原因と影響
伸縮装置には雨水が漏れないように止水材がついています。しかし、止水材は装置設置後約6年で脱落するという調査結果もあり、漏水対策として万全とは言えません。
もし仮に漏水が発生すると、伸縮装置の下にある支承が錆びる可能性が高くなります。支承が錆びると、橋梁の耐久性に大きな影響が出てしまうため、漏水は出来る限り防がなくてはいけないのです。
≫伸縮装置からの漏水が及ぼす橋梁への影響|主な4つの原因と対策を紹介
伸縮装置下の排水樋製品を紹介
伸縮装置の止水機能の劣化が発生した場合は、排水樋を設置することで漏水による影響を防ぐことができます。排水樋は各メーカーで様々取り扱っていますが、ここでは以下2つの製品をご紹介します。
- トータク簡易排水装置
- アーチ・ドレン
トータク簡易排水装TYPE-M
東拓工業株式会社の製品です。伸縮装置の下に設置し漏水を集めて、パイプを通して排水をする仕組みになっています。
本体に13%の勾配があり水がスムーズに流れ、土砂も堆積しにくい構造です。設置する際の交通規制が必要なく、ボルトナットで固定するので現場作業も最小限で済みます。
アーチ・ドレン
ニホン・ドレン株式会社の製品です。合成樹脂(プラスチック)で作られており、コンクリートの構造物に対する漏水対策として使われています。
衝撃に強く軽いため、運搬や取り付けが楽なのが大きな特徴です。耐寒性も高いので、寒い地域でも問題なく使用できます。
以上です。伸縮装置の漏水対策は排水樋の他に二次止水材があり、そちらが一般的に使用されています。
詳しくは以下の記事にまとめていますのでご覧ください。