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伸縮量の簡易計算式とは?【標準計算式との違いと使い方を解説】

伸縮装置を設置するには、橋桁の伸縮量の計算が必須です。その計算に用いられるのが簡易計算式で、平成29年の道路橋示方書の改訂までは一般的に使用されていました。

現在は、標準計算式を使うことが原則となりましたが、一定の条件下では簡易計算でも良い、とされています。

この記事では、伸縮量の簡易計算式の概要と具体的な方法を解説しました。標準計算との違いも含めまとめているので、どのタイミングなら使えるのかもわかります。

伸縮量の簡易計算式とは?

伸縮装置を設置する主な理由は次の2つがあります。

  • 橋の隙間(遊間)を埋める
  • 橋桁の伸び縮みに対応する

橋桁は、気温の変化によって伸びたり縮んだりしています。その結果、遊間も変化するため、橋桁の伸縮量を求める必要があります。

そこで使用されているのが簡易計算式です。橋の種類と橋桁の長さを元に、伸縮量を簡単に求めることができます。

簡易計算式を使用できる条件

簡易計算式は必ず使用できるわけではありません。平成29年の道路橋示方書の改訂により、標準計算式を原則として使うことが規定されました。

しかし、標準計算式で伸縮量を求めるには以下の情報が必須です。

必要な数値・情報
  • 活荷重で生じるたわみの移動量
  • クリープによる移動量
  • 構造解析で求めた地震時移動量

これらの情報が揃わない場合は、以前と同じく簡易計算式を使用しても良い、とされています。そのため、設置する箇所によって、標準計算式なのか簡易計算式なのか判断しなくてはいけません。

一般的には、補修工事を行う場合は条件が揃わないケースが多いため、簡易計算式を使うことが多いです。

なお、各高速道路会社などで独自の基準を設けている場合は、その方法に従って伸縮量を計算しなくてはなりません。

簡易計算式による伸縮装置選定の流れ

メタルガージョイントNT-FFL型

設置する箇所に合った伸縮装置を選ぶには、以下の条件を求めなくてはいけません。

  • 標準遊間量
  • 常時伸縮量
  • レベル1地震時移動量

このうち、常時伸縮量は簡易計算式によって求めることができます。標準計算式を元にした基本的な選定の流れは、次の記事でまとめていますのでご覧ください。

≫伸縮装置選定の流れ【計算の方法とポイントを解説】

簡易計算式を使用した常時伸縮量の求め方

簡易計算式は、橋の構造や地域によって異なります。以下が計算式の一覧表です。

簡易計算式一覧表

寒い地域では表中の( )を用いて計算します。低減係数βは、乾燥収縮やクリープによる影響を加味するために使用しており、以下の表を用いて求めます。

乾燥収縮・クリープの低減係数

また、伸縮桁長Lは、橋の構造や支承の種類によって大きく変わります。考え方と求め方を以下の記事でまとめているので、そちらを参考にしてください。

≫伸縮装置の選定において必須!「伸縮桁長」とは?

以上が簡易計算式による伸縮装置選定の流れです。以下のツールでも装置の選定は行えますので、ぜひご活用ください。

伸縮量と遊間を入力するだけ!伸縮装置自動選定ツール