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伸縮装置の後打ちコンクリートに関する「?」を解決!

後打ちコンクリートの性能について、「伸縮装置基礎知識」の記事でご紹介しましたが、
今回はそんな後打ちコンクリートの疑問を解決いたします!

後打ちコンクリートについての記事はこちら↓

後打ちコンクリートに求める性能とは?伸縮装置を長持ちさせる3つのポイント

後打ちコンクリートについて、よくある疑問は以下の3つ。

①どんな時に、どのコンクリートを選べばいいの?
②コンクリートの試験って何があるの?
③施工後、クラックが!どうすればいいの?

一つ一つ解説していきます。

どんな時に、どのコンクリートを選べばいいの?

伸縮装置工に主に使用されるコンクリートはこちらの3種類。

・普通コンクリート
・早強コンクリート
・超速硬コンクリート

この3種類の特徴を表にまとめてみました。

現場条件等により使用するコンクリートは異なりますが、基本的には表のような選定をします。
さらに、特殊なコンクリートも使用する現場もありますので、現場条件を確認しましょう。

コンクリートの試験って何があるの?

コンクリートの試験には打設前の試験と硬化後の試験があります。
こちらでは、コンクリート納品時、現場での試験についてご紹介いたします。

●打設前の試験

・スランプ試験
スランプ試験とは、高さ30cmの円錐形をした型わく(スランプコーン)にコンクリートを打込み、このコーンを引抜きコンクリートの沈下量を求める試験です。
この沈下量をスランプ値といいます。スランプが小さい(硬い)と作業がしづらく、大きい(軟らかい)と材料分離がしやすくなってしまいます。
よって、作業に適する範囲内でできるだけ小さくする必要があります。

コンクリートスランプについて
一般社団法人セメント協会ホームページより引用)

・空気量試験(普通コンクリート、早強コンクリート)
コンクリートに含まれる空気量を測定します。測定機にコンクリートを入れ、
圧力を加えて出た空気量を測定します。
空気が多いほど圧縮強度が下がってしまうため、規格値を超えていないか確認しましょう。

 ※右の装置

・塩化物含有量試験(カンタブ)(普通コンクリート、早強コンクリート)
コンクリート内の塩化物イオン量を測定します。
カンタブという試験紙をコンクリートに差し込み、色の変化で塩化物イオンの含有量が分かります。
コンクリートの中の塩分が多いと鉄筋を腐食させ膨張し、コンクリートにひびわれを生じてしまうため、
打設前に規格値を超えていないか確認します。

●硬化後の試験

・圧縮強度試験
供試体(テストピース)を採取しておきます。(一般的には直径10cm、高さ20cmの円柱形状)
養生後、圧縮試験機で供試体を挟み込み、圧力をかけ破壊するまでの強度を測定します。
伸縮装置工の後打ちコンクリートは、取替工事においては24N/mm2を設計強度としています。

施工後、クラックが!どうすればいいの?

クラックの問題は特に補修工事での施工で見られます。
補修工事では超速硬コンクリートが使用されますが、その超速硬コンクリートは3時間で
呼び強度に達するほど硬化が速いため、クラックが入りやすいのです。
しかし、被膜養生をし、養生時間をしっかりと確保した上で発生したクラックは、
ヘアクラックの可能性が高いでしょう。
ヘアクラックとは後打ちコンクリート表面に髪の毛サイズほどの軽度なひび割れのことです。
クラック発見!となった場合はこのヘアクラックがほとんどですので、構造上問題ありません。
(クラック0.2mm以下は許容ひび割れとされている。)

もし0.2mm以上のクラックが入っていたら、それは何らかの対応が必要になります。
クラックの状態によっても対応策は様々です。まずはクラックの状態を確認しましょう。

まとめ

■補修時は交通規制により時間に厳しいため、超速硬コンクリートを使用しましょう。
■コンクリートの試験は打設前と硬化後に行います。規格値内か確認しましょう。
■伸縮装置の後打コンクリートに入るのはほとんどがヘアクラックといわれる許容ひび割れです。
対策が必要なものかどうかはしっかり見極めましょう。